社会・労働保険の基礎知識/健康保険

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 健康保険

制度のあらまし 健康保険

 

健康保険は、被保険者の業務外に起きたケガ、病気、死亡、出産に対する保険給付と、被扶養者のケガ、病気、死亡、出産に対する保険給付を行うことを目的としています。

 

身近なものでは、病院に行き、健康保険証を提示して治療を受けることは、健康保険による「療養の給付」を受けていることになります。

 

この他にもケガや病気の療養のため継続して4日以上休業した場合に支給される「傷病手当金」、出産した場合には「出産一時金」と産前産後の休業期間中に対して「出産手当金」が支給されます(扶養家族には傷病手当金、出産手当金は支給されません)。

 

健康保険の被扶養者は、被保険者による生計維持関係が認められる3親等内の家族であることが第一要件です(配偶者の父母、甥姪など一定の家族は同一世帯にいることも要件になります)。

「生計維持関係」とは、その扶養家族の年収が被保険者の年収の1/2未満(同居していない場合は仕送り等の額より少ないこと)で、130万円未満(60歳以上または障害者の方は180万円未満)であることなどが基準になります。

 

また、健康保険には任意継続という制度があり、会社などを退職して被保険者の資格を喪失したときに、一定の条件のもとに個人の希望により被保険者となることができる制度です。任意継続被保険者となるための要件としては、  

(1)資格喪失日の前日までに「継続して2ヶ月以上の被保険者期間」があること。  

(2)資格喪失日から「20日以内」に申請すること。(20日目が営業日でない場合は翌営業日まで)

 

 

 

加入要件 健康保険

 

健康保険と厚生年金保険は、制度の目的と保険給付の対象は異なりますが、適用の基準や被保険者の取扱いはほぼ同じです。

 

健康保険・厚生年金保険では、労災保険や雇用保険と異なり、法人の場合は社長や役員も「法人に使用される者」ということで被保険者となります。

ですので、社員が役員だけで構成する会社でも、法人の事業所は健康保険・厚生年金保険に加入しなければなりません。

個人事業で一定の業種(製造業、土木建築業、物品販売業、医療保険業等)の場合には、社員を常時5人以上使用する場合には強制適用になります。社員が常時5人未満の事業所は任意で健康保険・厚生年金保険に加入することが出来ます。

 

個人事業の事業主は被保険者とならず、健康保険・厚生年金保険には加入できません。

 

なお、健康保険の被保険者となる要件には年齢の定めはありませんが、厚生年金保険の場合、70歳以上の社員は原則として被保険者になることができません。

 

以上のように各制度の加入要件が定められておりますが、会社自体が社会・労働保険に加入するかどうかのポイントとして、下記の点が挙げられます。

 

●法人か個人事業か  (法人ならば健康保険と厚生年金保険に加入)  

●社員がいるか     (社員がいれば労災保険に加入、労働時間等により雇用保険も加入)  

●個人事業の場合、社員が5人以上か(一定の業種であれば健康保険と厚生年金保険に加入)

 

 

 

パート・アルバイトの加入要件 健康保険

 

加入基準として、次の要件です。

 

・1日または1週間の所定労働時間が正社員のおおむね3/4以上であること

・1ヶ月の労働日数が正社員のおおむね3/4以上であること

 

 

 

保険給付の内容(業務外に起きた私傷病)

 

●病気・ケガの診療 (本人負担を除いた部分が給付に相当)  

●病気・ケガの診療で本人分の負担金が高額になった場合の補助  

●療養のため継続して4日以上休業した期間に対する給付  

 (給料の支払いがない場合に1日あたり標準報酬日額の2/3相当額、 支給開始から1年6ヶ月まで)  

●入院中の食事の費用の補助 (本人負担を除いた部分が給付に相当)  

●死亡した場合の埋葬料の補助  

●出産時の一時金の支給  

●扶養家族の病気・ケガに対する診療の補助、出産育児一時金、埋葬料の支給  

●扶養家族の病気・ケガの診療で、自己負担金が高額になった場合の補助

 

 

 

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